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船酔いしないために釣り人ができる事

 船酔いしたくない


オフショアの釣りをする全国のみなさんと切っても切れない悩みのタネ、そして船釣り未経験の人を船釣りから遠ざける一番の要因と言えば船酔い。

なんせ酔ってしまえばあとは死体も同然。
釣りは出来ないし時間は過ぎないし周囲の釣り人は楽しそうだし、寝てるだけなのに降りたらしっかり一人前の料金取られるし。

それでも船で釣りがしたい!

そんな人のために、今日は自称“超船に弱い男”であるこの僕が船酔いしないためにできる対策を紹介します。

船酔いの原因分析


「弱いから酔うんですよ」などと言っても始まらないので、原因を調べましょう。

『人のからだは倒れたりしないように、自動的に姿勢を保つ調整機能(反射)があり、これを平衡機能といいます。この働きには内耳が重要な役をしています。乗り物に乗って、発進・停止の反復、スピードの変化、前後・左右・上下(最も酔いやすい刺激)・回転などの刺激を内耳が受けると、その情報が脳へ送られるのですが、慣れない刺激がくり返されると情報過多となり、脳が混乱して、自律神経に異常な信号を送ってしまいます。そうすると、生あくび、冷や汗、顔面蒼白、手足の冷感、気持ち悪さなどをおこし、ついには吐くなどの症状が出てしまうのです。』

とのことで。
経験則も合わせて言えば原因は大きく3つに分けられます。

1. 船の揺れやその日の天候・環境要因
2. 釣り人の体調・精神的な要因
3. 仕掛けの準備やオマツリでの細かい作業

例えば船にメチャ強いぼくの友人が居ます。普段は全く薬も飲まずに船酔いしない彼ですが、港での風速が10m/sを超える日に出船した際は流石に酔っていました。

逆に超絶船に弱い人でも穏やかな日に大型フェリーとか乗れば全く酔いません。

これは1番の環境が原因。無理なもんは無理なので、良い日に乗ろうぜという事です。

一方の2番は前日の睡眠時間や飲酒の有無、食べているもの、慣れなどですね。
具体的には睡眠不足、酒の飲みすぎ、緊張なんかが悪影響を与える事が多いです。

3番目は事前の準備や対策で避けられることが多いです。

環境ってどうすればいいの


お天気
見落としがちなのが天候。
極端な話、波もうねりもゼロなら船は揺れないので、出来るだけ風が弱くて波の立たない場所やシーズンを選んで釣行を組みましょう。

具体的には下記のような季節、場所は狙い目です。
逆に季節風が強くなる冬場に日本海でヤリイカメタル!とか最初は避けましょう。

・夏の日本海
・冬の太平洋
・瀬戸内海
・湾内の釣り


目安として、windyやwind finderの風速が2~3m/s以下、波高が50cm以下の予報だとかなり安心できます。
また風向きは陸側から沖に向かって吹く方が波は立ちにくいです。

逆に風速が7~10m/s前後で波高が2m近くなってくると船に強い人でも怪しくなってきます。ちなみにそれ以上は普通に危ないので船が出ません。

釣船&釣座
船は大きいほど揺れません。なるべく大きい船を選びましょう。
遊漁船のサイトには大体船体紹介があるので、およそ50フィート以上の大型船を選ぶと良いです。

釣座は「揺れにくいところ」が基本です。
経験的に、大きな上下動で感じる断続的な「ふわっと感」は致命的に船酔いを誘発します。
船は重心を中心にして前後・左右に振れるので、船首(ミヨシ)と船尾(トモ)は特にこの上下動が出やすいです。中央付近がオススメなんですが、初めての人はとりあえず運転席の両サイドを狙いましょう。(船長の目が届きやすくてサポートを受けやすいと言うメリットもありますよ)

体調ってどうすればいいの


睡眠時間
兎にも角にも、まずは前日ゆっくりと寝ましょう。
ありがちなのはタックル準備をしていなくて前日の仕事が終わってから慌てて準備→ほとんど寝ないで出発、と言うパターン。これは定番の即死コースです。避けましょう。

睡眠時間に関しては個人差あると思いますが、ぼくの場合は3時間以上寝ないと酔う可能性が出てきます。逆に5時間以上寝ていると体調的には万全ですね。
不安な人は前日の夕方に移動して現地で宿泊、というのがオススメです。

酔止め薬
また、定番の酔止め薬も効果的です。
伝家の宝刀アネロンニスキャップは1カプセルおよそ100円程度と高価に感じますが、間違いなくその価値はあります。

ちなみに購入はAmazonが劇的に安いです。9カプセル入で700円以下で購入できます。ドラッグストアだと900円ちょいくらい?

 

船酔いは「酔うかも知れない」という精神的な不安感で実際に酔う、と言う半ば自分との戦い的な一面も持っています。薬でも何でも良いので「オッケーこれで大丈夫!」と思ってしまえばこっちの勝ちです。アネロンに限らず「これを飲めば大丈夫」と言う薬があると精神的に楽ですね。


オススメなのは釣り場までの移動前、クルマに乗る時に1カプセル、船に乗る前にもう1カプセル飲む方法です。これは船に乗った瞬間に薬の血中濃度が高い状態にするため。
なお効き目が切れ始める時間はおよそ6~8時間です。朝から半夜の超ロング便なんか乗る人は途中で飲み足しておくのがいいでしょう。

参考:くすりの適正使用協議会(http://www.rad-are.com/外部リンク):薬の正しい使い方 中学生版

ちなみにアネロンの箱には「乗船30分前を目安に……」とありますが、僕はダメでした。
この辺も個人差あるので自分で人体実験してください。

なお副作用は口の乾きが顕著です。飲み物必須。(これも個人差ある)
眠気が出ると言う人もおりますが、釣りしている時はだいたい楽しくて眠くならないので気になった事は今までありません。会社で飲んだら眠くなるかもね。

食事
個人的な地雷はラーメン。
これは脂そのものがアカンのか、脂っこい食事が酔止め薬の吸収を妨げるのか、その両方が原因ではなかろうかと考えています。
いずれにせよ乗船前は程々にコンビニで買った菓子パンか肉まんでも食べておくのが無難です。

トラブル回避


最後はトラブルや細かい作業の回避です。
これは酔う酔わない別として釣りの効率が悪くなるので極力避けたいですね。
ありがちなのは「最悪なオマツリを延々解く」「根掛り高切れでFGノット組み直し」「そもそも仕掛け準備してなくてポイント向かう途中で作る」などなど。

とにかく大事なのは船に乗る前に作れるもんは作っておく、組めるもんは組んでおく、これに尽きます。

まずリーダーは全タックル全部結んでおきましょう。
予備タックルを複数持つと言うのはカネかかりますけど非常に効果的です。(トラブル時の手返しUP、リスクヘッジにも繋がります)

また仕掛けも組んだ状態の予備を持参しておけば万が一交換する場合にも結束は1箇所で済みます。

ジギングだったら使うジグ全部にアシストフックを付けておく、と言う荒業も。

あとは奥の手ですが、慣れた人に作業してもらうと言うのも選択肢に入れましょう。酔って寝るくらいなら助けてもらった方が余程マシです。
大概の船では船長に頼めばオマツリ解いたり仕掛け結んだりしてくれます。逆にその程度頼んで嫌な顔する船長の船には乗らんほうが良いでしょう。

結論

・穏やかな日を狙って釣行
・揺れにくい大型船を狙う
・船首、船尾を避けて釣座は胴に
・前日よく寝る
・酒や脂っぽい食事は避ける
・乗船の数時間前と直前の2回薬を飲む
・タックル準備は万全に

そして最後に大事なのは「船に乗る事に慣れる事」です。
これは船の揺れに慣れると言うのもありますが、船に乗ると言う行為そのものに慣れて緊張しなくなると言う意味合いもあります。(初めて教習所でクルマに乗った時は冷や汗かいても、毎日乗ってたら慣れますよね?)

最初は酔って何も出来ないかも知れません、それでも諦めずに2回、3回と乗っていれば次第に慣れて来て良い日にも当たるものです。
オフショアは陸っぱりだけでは得られない夢のあるターゲットに出会える(かも知れない)フィールドです。

これを機に船酔い対策をした上で、2021年は船釣りにチャレンジする年にしてみません?



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