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2022/01/16

深海餌釣り 最初に揃えたタックルの話

 深海釣りのハードルは高いのか?

水深200mを超える深海の釣りは基本的に道具や釣り方が特殊で、とっつきにくい所があるのは否めません。
僕は幸いにも深海が得意な船で常連さんや船長にかなり丁寧に教えてもらう機会に恵まれたので、そこで見聞きしたり自分で試してみた感覚的なものも含め、初心者向けの深海タックル紹介をしたいと思います。


ただ深海釣り、と一口に言っても200~300mで狙うアカムツと1000mオーバーで狙うベニアコウでは全く道具が異なります。
さらに注意しなければいけないのは「乗る場所や船によって道具が相当変わってくる」という点です。例えば同じキンメダイでも本場静岡の新島沖と僕が行っている和歌山県では釣り方や道具立てが全然違います。

大抵の場合は船にレンタルタックルがあるので、それを一度使って感覚を掴んでからマイタックル選定をするのが近道です。船長にオススメの道具を聞くのも良いですね。

今回は和歌山県沖、水深250~600m前後でオモリ400~600号くらいを使ってキンメダイやメヌケを狙うタックルを紹介します。

リール

深場釣りの場合、リールは糸巻き量で選ぶのが基本です。
巻きたい糸の太さと長さから、それを収めることが出来るリールを選ぶ事になります。

PE6号~8号を1000m程度巻けるスペックがあれば十分。
候補になってくるのは下記ですかねぇ。

メーカーモデル番手PE6号巻量 (m)ドラグ (kg)価格 (円)
シマノ
ビーストマスター
600075030150000
9000110025163000
フォースマスター
60007503095000
900011002598000
ダイワ
マリンパワー3000280090430000
シーボーグ
1200J133333125000
1200MJ133333167000
タナコン100010002272000
ミヤエポック
Z-99280040~110279000
Z-1515320040~110354000

ミヤエポックと言う聞き慣れないメーカーが出てきました。これは一部のマニア向け、と言うかほぼプロの漁師さん向けの大型電動リールを作っているメーカー。
プロ向けなので素人が遊びで使うには価格がぶっ飛んでいます。最終的にはみんなここに行き着くんだけど今回はただの参考情報。

常識的にはシマノとダイワの無難なモデルが候補になってきます。
基本的に「値段が高い=デカい、強い、速い、壊れない」って感じでスペックアップしていきます。ただし、シマノの場合は6000番と9000番では巻き量こそ9000が勝るものの、単純なスプールサイズ違いなので巻き上げ能力は6000番が有利です。超太糸巻いてドラグガチガチの勝負でも使いたい!って場合は9000番選ぶと後悔しちゃうかも。

シーボーグは表には載ってませんがMJの方が巻き上げ能力や巻きスピードがつよいです。


僕が選んだのはビーストマスター9000番。
やはりシマノ信者である事と糸巻量6号1000m前後ってのは譲れないポイントだったので6000番は候補から外れました。実売で11万円くらいです。

事前に他のお客さんから「シーボーグとビースト両方使ったけどビーストは壊れないね」と聞いていたのもシマノにした決め手。

ちなみにフォースマスターとビーストマスターの違いはモーターの構造。
ビーストマスターだけはGIGAMAXモーターと言う超ダサい名前のモーターを使ってるんですが、要はブラシレスモーターです。

ブラシモーターの宿命である「ブラシ摩耗」が原理的に起きないので圧倒的長寿命。お値段以外はかなり魅力的っぽいですね。詳しいところは餅は餅屋ってことでNidecさんの公式サイトでも見てください。
ちなみにフォースマスターやダイワのシーボーグは従来どおりのブラシモーターっぽいですね。


深場の釣りは一日の巻き上げ総量が余裕で3000mとか行くので耐久性は超重要。とは言えフォースマスターでも普通に釣りは出来ますよ。
せーの、で巻き始めたりすればビーストマスターの方が速く上がってきたり、高負荷時でもゴリゴリ巻いてきたり、その辺の差はどうしても出てしまうので予算と相談してください。

  

リールや糸は消耗品の色がかなり強く、ラインの高切れリスクもあるのでそれなりに早いタイミングで自分のものを揃えておくのがオススメです。借り物になにかトラブルがあると気まずいですしね。

竿

他の釣りでも言える事ですが、竿は好みです。
リールの場合、高い=つよいの等式は間違いなく成り立ちますけど竿の場合は微妙ですね。高くても好みでなければイマイチですし、釣り方と好みに合致すれば安くても最高の竿になり得ます。逆も然り。

僕が買ったのはアルファタックルのディープインパクトTeru style S-1
番手がS-1とS-2がありますけど、柔らかい方。錘負荷は400号まで。


もともとアルファタックルの船竿が好きで他にもいくつか持ってるのと、船での評判も良かったので購入。実売で6~7万円くらい。

もっと安価な竿で評判が良いのはゴクエボリューション、下田漁具のキンメ一番ですね。どちらも使いましたけどアタリが取りやすくていい竿だと思います。実売で2~3万円くらいかな。
同じアルファタックルのスーパーディープクルーザーシリーズも安いです。

  

竿の場合は無理をしなければそうそう壊れるものではありません。初めは船のレンタルや友人からの借り物を使って、自分の好みが分かってきてから購入…というのが賢いかと思います。

ラインその他

リールと竿が揃ったら、あと必要なのは色と仕掛けですね。
ラインに関しては「そもそも何号巻けばええねん??」ってのが初めは分かりませんし、未だに分かりません。とりあえず僕はPEの6号を巻いています。


定番はよつあみのパワーハンター系ですけど、ネットで買うと100m単価が余裕で1000円超えてくるので1200mとか買うと普通に15000円とか20000円とかします。
正直あんまり繊細な釣りではないので僕は安い謎ブランドを買って使っています。

ただ、この手のやべー感じのPEラインはレビューも怪しいし、商品も怪しいし、メーカーの主張する強度なんていよいよもって怪しいので怖いですよね。
現時点で写真の左、「KUROSAWA X-CORE 6号1000m」は普通に使えています。根切りでナイロン18号(サンラインのクインスター カタログスペックで80lb=36kg強度)の捨て糸を切る際も切れずに耐えたので思ったより悪くないです。ちなみに公称強度は70lb=32kgだそうで。

写真の右、「HERCULES 6号1500m」はAmazon激安PEライン業界では珍しい、と言うかほぼ唯一?の1500m巻きラインです。
ベニアコウを真面目に狙う場合は水深1000m程度を攻める必要があって、そのために最低でも1200mのラインを巻く必要があったので購入しました。
バチバチにテンションを掛けてビーストマスター9000番に巻けるだけ巻いてどこまでいけるか試してみるつもりです。ちなみにX-COREの1000mは余裕で入りました。


こいつは一番最初にイキって巻いたジガーULTの4号1200m。
「極太ラインが幅を利かせる餌釣り業界でスーパーライトタックル使って天下を取るぜ!」と息巻いたものの、隣の人がバラムツを掛けて水面付近でPEに擦れ、次の流しであっけなく高切れしました。やはりモノが良くても細いとマージンがないのかも。
それでも4号で公称60lb=27kg強度なので、みんな嘘ついていないのであれば流石ジガーULTはそれなりに強いですね。6号出してくれよ。※ジガーULTは最大で4号まで

このへんのラインレビューは別途詳しい記事を書こうと思います。なんせ激安PEを深海で使ってると言う人が少なすぎるので。人柱として少しでも世の中の役に立ちましょう。

  


あとはヨリトリと呼ばれるベアリングスイベルを連結したような金具とか、中オモリ代わりのSUSチェーンを準備。このへんも船によって作法が違うので要注意です。


意外と忘れるのがラーク(竿掛け)のパーツ。
船にある場合が大半ですけど、自分のを準備しておけば竿にセットした状態で持ち込めるので楽ちんです。そんなに高いものではないので用意しておくのをオススメします。
また尻手ロープは必ず付けておきましょう。タックル全体がとんでもない値段になりがちですし、ラークに掛けそこなって水没なんかしたら目も当てられません。

  

仕掛けについてはまずは市販品を使ってみましょう。
慣れてきたらここで紹介したような枠を使って自作してみるのも楽しいですよ。仕掛け作りに関しては別途詳細をまとめるつもりです。

とりあえず始めよう

さてここまで散々深海タックルについて説明しましたが、御託は良いのです。とりあえず一度レンタルでやってみましょう。そして面白ければもう一回この記事読んで、好みの道具を想像してあーでもないこーでもないと妄想しましょう。買うのはそれからで良いんです。


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